オトナ女子のみなさん、推理の時間です。
人が一人亡くなりました。
おそらく他殺です。
犯人は誰でしょうか?
時間を少し巻き戻して、コトの一部始終を見てもらいますね。
今、あなたは、筑紫の香椎の宮(福岡市)にいます。
ちょっとした場にいると思ってください。
目の前には、仲哀天皇(夫)、神功皇后(妻)、建内宿禰(天皇に仕える人)の三人がいます。
これから、神がかりの儀式を行うところで、部屋は真っ暗にしました。
※神がかりとは、神が人に乗り移ることです。
今日は、神が神功皇后に乗り移ります。
このとき、仲哀天皇は九州の南にある国を討ちたいと思っていました。
そこで、神の言葉を乞い求めました。
神が神功皇后に乗り移って言った言葉は、
「海を渡った西のところに魅力的な国がある。九州南部の国じゃなくて、海外の国に行きなさい。」
でした。
それに対して、天皇は答えます。
「高いところに登ってみましたが、陸地なんて見えないですよ?海が広がっているだけです」
天皇は、「嘘つきな神だ」と思って、手元にあった琴を押し退けて黙っていました。
すると、神(神功皇后)はかなり怒って恐ろしいことを言います。
「すべてのこの国はお前の治めるべき国ではない。死ね。」
慌てる建内宿禰(天皇に仕える人)。
天皇に「琴を弾いてください。」とお願いします。
天皇はしぶしぶ、いい加減に琴を弾きました。
間もなくすると、琴の音が聞こえなくなりました。
真っ暗な部屋に火をともしてみると、天皇は亡くなっていました。
コトの一部始終は以上です。
登場人物は三人です。
仲哀天皇(夫)—死亡
神功皇后(妻)
建内宿禰(天皇に仕える人)
犯人は誰だと考えるのが妥当なんでしょうか?
古事記には「亡くなった」と書かれていて、「殺された」とは書いていませんが、流れで考えると殺されたと解釈できるのではないかと思います。
単独犯なのか?複数犯なのか?
「実に興味深い」
みなさんはどう推理しますか?
興味深い事件なので、引き続き調査をしていきたいと思います。