天武天皇の命令によって作られた「古事記」。
古事記が作られた背景について、少し掘り下げて考えてみたいと思います。
なぜ「古事記」が作られたのでしょうか?
それは、王統(統治)の正統性を語るためです。
それではなぜ、王統(統治)の正統性を語ることが必要になったのでしょうか?
1400年前の古代国家にタイムスリップ!
▷まずは大まかな流れを…
(飛鳥時代~奈良時代の話です)
1)法律の整備をする
↓
2)役人が集まる所をつくる(永田町のような所)
↓
3)制度の整備をする
↓
4)天皇が統治する正統性が必要になった←イマココ!NEW
そこでできたのが国家神話(古事記など)です。
王権の正統性を保証する物語が必要になったのです。
▷掘り下げます
上記の「大まかな流れ」を少し掘り下げていきます。
1)法律の整備をする
中国から、法律の基盤となる律令(刑法、行政法)を輸入します。
その律令を日本風に整理しながら書物をつくる、内容を改めて正当な形に正す、整理する、内容を改める作業を行いました。
(近江令→飛鳥浄御原令→大宝律令→養老律令)
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2)役人が集まる所をつくる
法律を整備しただけでは国家は動きませんよね。
それを運用してくれる人がいなければ。
役人たちが集まる場所をつくります。
今で言う永田町のような所です。
初めての都、藤原京の造営。
その後は平城京です。
3)制度の整備をする
法律もでき、役人の集まる都もつくりました。
でも国家を動かすにはこれだけでは足りません。
官僚機構(土地や人々は王の支配に服属するという考え方で人々をまとめるための組織)の整備もします。
ん…わかりにくい…
「天皇家を中心にした感じで支配するから従ってねー!強制だよー!」と押し付ける役をやる組織を整備したってことです。
それから、お金をつくり世の中に流通させます。
戸籍も作成して、租庸調・役(えき)という税を課します。
~~租庸調ブログ~~
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4)天皇が統治する正統性
法律が整備され、都もつくり、もろもろの制度が整備されました。
それを人びとに強いる(守らせる)正統性が必要になりました。
そこでできたのが国家神話(古事記など)です。
王統(統治)の正統性が必要になり、天武天皇の命令によって作られた古事記。
正統性が必要になったのは、(1)~(3)の流れがあったのでした。
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▷まとめ
なぜ古事記が作られたのか?
→王統(統治)の正統性を語ることが必要になったため
王統(統治)の正統性を語ることが必要になるまでの流れは…
1)法律の整備をする
↓
2)役人が集まる所をつくる(永田町のような所)
↓
3)制度の整備をする
↓
4)天皇が統治する正統性が必要になった←イマココ!NEW