古事記が完成して約1300年。
その今!!日本人としていにしえの歴史書に触れてみたいと思います。
二神の結婚(1)のつづきです。
「(他の神様は正直どうでもいいけど)イザナキとイザナミのことは知りたい」というオトナ女子の皆さんにも楽しんでいただけるように、少しずつ丁寧に1300年前を紐解いていきます☆
(岩波文庫『古事記』倉野憲司校注を引用、参考に進めていきます)
古事記は上中下の3巻からできています。
古事記
上巻—神様の世界
中巻—天皇の話(神様とコンタクトをとっていく天皇)
下巻—天皇の話(中国の儒教の影響が強い天皇)
今日は、上巻の「伊邪那岐命と伊邪那美命 2.二神の結婚」を見ていきます。
古事記
上巻—神様の世界
中巻—天皇の話(神様とコンタクトをとっていく天皇)
下巻—天皇の話(中国の儒教の影響が強い天皇)
≪上巻≫
序
別天つ神五柱
神世七代
伊邪那岐命と伊邪那美命
1.国土の修理固成
2.二神の結婚←ココ
3.大八島国の生成
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▷よむ
ここに伊邪那岐命詔(の)りたまひしく、「然らば吾(あれ)と汝(いまし)とこの天の御柱を行き廻り(めぐり)逢ひて、みとのまぐはひ爲む(せむ)。」とのりたまひき。
かく期りて(ちぎりて)、すなはち、「汝(いまし)は右より廻り(めぐり)逢へ、我は左より廻り逢はむ。」と詔りたまひ、約り(ちぎり)竟へて(をへて)廻る時、伊邪那美命、先に「あなにやし、えをとこを。」と言ひ、後に伊邪那岐命、「あなにやし、えをとめを。」と言ひ、各(おのおの)言ひ竟へ(をへ)し後、その妹(いも)に告げたまひしく、「女人(をみな)先に言へるは良からず。」とつげたまひき。
▷みる~どう訳す?~
●みと—御所のことで、ここでは結婚する場所
●まぐはひ—結婚(「目合い」から転じて交接の意味)
●約り(ちぎり)竟へて(をへて)廻る時—約束し終わって回る時
●「あなにやし、えをとこを。」—あぁなんて、イイ男なんでしょう。
●「あなにやし、えをとめを。」—あぁなんて、美しいんだ、この乙女は。
▷さぐる~その背景にあるモノ~
●「汝(いまし)は右より廻り(めぐり)逢へ、我は左より廻り逢はむ。」—伊邪那岐命は伊邪那美命に「お前が右回り、私は左回りする。」と言います。
ここに儒教思想が反映されています。
儒教思想→“左の方がえらい”
伊邪那岐命=男=左回り=えらい
古事記は天武天皇の命によって作られました。
天武天皇は儒教にかなり影響を受けています。
そのことが古事記からも見られるわけです。
▷もう一度よむ
ここに伊邪那岐命詔(の)りたまひしく、「然らば吾(あれ)と汝(いまし)とこの天の御柱を行き廻り(めぐり)逢ひて、みとのまぐはひ爲む(せむ)。」とのりたまひき。
かく期りて(ちぎりて)、すなはち、「汝(いまし)は右より廻り(めぐり)逢へ、我は左より廻り逢はむ。」と詔りたまひ、約り(ちぎり)竟へて(をへて)廻る時、伊邪那美命、先に「あなにやし、えをとこを。」と言ひ、後に伊邪那岐命、「あなにやし、えをとめを。」と言ひ、各(おのおの)言ひ竟へ(をへ)し後、その妹(いも)に告げたまひしく、「女人(をみな)先に言へるは良からず。」とつげたまひき。
▷現代語訳
そこで、伊邪那岐命が言ったことで、「それでは私とお前とでこの天の御柱を回って、御所で結婚しよう」と言いました。
そのように約束して、それで、「お前は右回り、私は左回りをして会おう。」と言って約束をし終わって回る時、伊邪那美命は先に「あぁなんてイイ男なんでしょう。」と言い、後に伊邪那岐命が「あぁなんて美しいんだ、この乙女は。」と言い、それぞれ言い終わった後、妹(伊邪那美命)に告げたのは、「女性が先に言うのはまずいんじゃない?」と告げたのでした。
ついに結婚しましたね。
▷今日のポイント
伊邪那美命が先に「あぁなんてイイ男なんでしょう。」と言い、その後に伊邪那岐命が「あぁなんて美しいんだ、この乙女は。」と言ったところです。
先に女性、後に男性が声をかけた、その結果どうなったでしょうか??
次回につづきます。